ある老人のご来店

先週のある日のお昼ごろ、一人の男性のご老人が来店されました。 ハットをかぶり、身なりもきちっとしていたので、きっと、道案内だろうと応対したところ、お客様のほうから、アーティフィシャルフラワーのアレンジしたものが欲しいということでした。

このくらいのサイズの花瓶にあったフラワーアレンジが欲しいと大まかなアレンジの大きさはいただきましたが、どんな
感じの、どのような色がご希望かは言わず、おまかせするとのこと。

よくでる小花のピックを使い、白、ピンク、パープルの色目で提案したら、もっと、ビビッドなものも入れて欲しいと言われ、濃いピンク、鮮やかなレッド物を入れたら、それはダメと言われ、なかなか、決めるのが難しい。

そこで、用途をお聞きすることに。奥さんを突然に亡くされ
て、無宗教なので、遺影だけを飾っていたら、他人からあまりにも殺風景なため、花でも飾ったらと言われ、前から
ここで花を売っていることを知っていたから、買いに来たと
いうことでした。

生花ではとても手間がかかるので、このようなアーティフィシャルフラワーを求められたわけでした。
生前は花が好きだった奥様の話をお聞きして、ぜひ、喜んでいただけるようなアレンジをしようと心がけました。

そして、アレンジを2つ注文されました。時々、花を変えたいからという理由からです。それで、ピンク、イエローの
ラナンキュラスとクリームホワイト、グリーン、パープルの
ポンポンマム、それに人気の小花ピックを使って、2つ、違うようにアレンジして、そのまま、花瓶にさせるように輪ゴムでしっかり止めて、セロファンでそれぞれブーケのように
ラップし、お渡ししました。ご本人は、満足されたので、よかったと思いました。

話しを聞いていくうちに、突然の奥様の死だったので、どこに何があるのかさっぱりわからず、困っているとか。
寂しくて、なんか毎日、生きているはりがないとかまで言われた。年齢は81歳ですが、ハットを取ったら、頭髪は私より多くふさふさしており、色も真っ黒で、見た目よりは、だんぜん若く見えます。

「そんな弱気なことを言わず、この花を飾ってあげてください。きっと奥様もよろこんでいますよ。」と励ますと、そうだねという表情でショールームを出ていかれました。
今頃は、どうしていらっしゃるだろう。ちゃんと花を飾っていただいただろうか。と思わせる心に残るご来店でした。


シンギング♪★ウォーキング